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台風25号の浸水・冠水被害地域一覧|千葉県や茨城県など各地の被害状況を整理

台風25号被害一覧作成 災害
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このたびの台風25号により被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く、安心して日常を過ごせる環境が戻ることを願っています。

台風25号の被害について調べていると、「千葉県で大きな浸水被害が出た」という情報はすぐに見つかります。

ただ、実際にどの市町村で、どのくらい住宅が浸水したのか。道路冠水まで含めると、ほかの県ではどこに被害が出ていたのか。そこまで追おうとすると、国や自治体の資料が分かれていて、全体像は意外とつかみにくくなっています。

2026年9月25日8時時点の消防庁集計では、台風25号による住家被害は床上浸水522棟、床下浸水410棟の計932棟。このうち千葉県だけで884棟を占めました。

とはいえ、今回の水害は「何棟の家に水が入ったか」だけでは整理しきれません。河川の氾濫で住宅や事業所まで水が入った地域もあれば、堤防が決壊して数日たっても排水が続いた地域、道路や下水道、水道施設、農地まで影響が広がった場所もありました。

この記事では、消防庁や国土交通省、千葉県、各自治体の公表資料に加え、消防・国交省・報道機関・現地から投稿されたXの写真や動画も参照しながら、台風25号による浸水・冠水被害を地域別に記録します。

この記事の被害件数について
全国の住家浸水は2026年9月25日8時時点の消防庁集計を基準にしています。千葉県防災ポータルでは9月25日16時13分に第14報まで公開されていますが、市町村別の詳細表は確認できた第12報(訂正)時点の内訳を明記して掲載しています。災害情報は調査の進行に伴って更新されるため、数字を見る際は発表日時もあわせて確認してください。

台風25号で浸水・冠水被害が出た地域はどこ?

全国の住家浸水を都県別に見ると、被害が確認されているのは千葉県、茨城県、東京都、埼玉県、宮崎県です。

なかでも千葉県の被害は大きく、全国932棟のうち884棟。単純計算すると約95%を占めています。

都県別の住家浸水被害一覧

都県 床上浸水 床下浸水 合計 主な状況
千葉県 517棟 367棟 884棟 河川氾濫、堤防決壊、住家浸水、道路冠水など
茨城県 2棟 40棟 42棟 複数市町で住家浸水。道路冠水や車両の立ち往生も発生
東京都 3棟 1棟 4棟 住家浸水を確認
埼玉県 0棟 1棟 1棟 住家浸水のほか道路冠水が発生
宮崎県 0棟 1棟 1棟 床下浸水を確認
全国 522棟 410棟 932棟 2026年9月25日8時時点

数字だけを見ると「千葉県の水害」という印象が強くなりますが、茨城県では住宅だけでなく道路でも冠水が相次ぎ、埼玉県でもさいたま市を中心に道路冠水が確認されています。

住家浸水の件数が少ない地域でも、道路や鉄道、下水道が止まれば生活への影響は小さくありません。住宅の被害件数と、それ以外の冠水被害は分けて見る必要があります。

千葉県で短期間に冠水が繰り返された背景については、千葉県でなぜ冠水が繰り返されるのかを整理した記事で、地形や排水能力、河川、アンダーパスなどの面から詳しくまとめています。

千葉県でなぜ冠水が繰り返される?8月豪雨と9月21日の被害から見えた原因
2026年9月21日、千葉県内で再び道路冠水や排水障害が発生。8月の「令和8年8月千葉豪雨」と今回の被害を比較し、排水能力、地形、河川、アンダーパス、ハザード情報の空白など、冠水が繰り返される理由と自宅周辺の確認方法を解説します。

千葉県の浸水被害地域一覧|市町村別の床上・床下浸水

千葉県の市町村別被害を見ると、県内全体へ均等に被害が広がったのではなく、一部の地域へかなり集中していたことが分かります。

以下は、千葉県が9月24日に公表した第12報(訂正)で確認できた住家浸水の内訳です。その後、第14報まで更新されているため、今後の調査で数字が変わる可能性があります。

市町村別の床上・床下浸水

市町村 床上浸水 床下浸水 合計
佐倉市 300棟 0棟 300棟
鎌ケ谷市 54棟 138棟 192棟
大網白里市 58棟 35棟 93棟
栄町 25棟 31棟 56棟
長柄町 25棟 10棟 35棟
松戸市 7棟 22棟 29棟
市川市 3棟 19棟 22棟
茂原市 2棟 19棟 21棟
富里市 12棟 6棟 18棟
我孫子市 3棟 12棟 15棟
いすみ市 4棟 9棟 13棟
千葉市 5棟 7棟 12棟
木更津市 3棟 9棟 12棟
富津市 1棟 10棟 11棟
習志野市 0棟 9棟 9棟
八千代市 3棟 6棟 9棟
横芝光町 2棟 6棟 8棟
袖ケ浦市 4棟 3棟 7棟
白井市 2棟 5棟 7棟
柏市 1棟 3棟 4棟
匝瑳市 1棟 2棟 3棟
東金市 1棟 1棟 2棟
南房総市 0棟 2棟 2棟
銚子市 1棟 0棟 1棟
野田市 0棟 1棟 1棟
香取市 0棟 1棟 1棟
東庄町 0棟 1棟 1棟
千葉県計 517棟 367棟 884棟

佐倉市、鎌ケ谷市、大網白里市の3市だけで585棟。県全体の約3分の2に当たります。

同じ「浸水棟数」でも、その中身には違いがあります。佐倉市は300棟すべてが床上浸水として集計されているのに対し、鎌ケ谷市では床下浸水138棟が大きな割合を占めました。

「数字がない=被害がなかった」ではありません。
成田市のように、市町村別の床上・床下浸水表に数字がなくても、印旛沼周辺では広範囲の浸水が実際に確認されています。水が残って調査できない場所や、被害確認が途中の地域もあります。

千葉県で浸水被害が大きかった地域は?佐倉市・鎌ケ谷市・大網白里市などを確認

市町村別の数字で特に目立つのが、佐倉市、鎌ケ谷市、大網白里市です。

ただ、棟数だけを追っていると、住民が実際にどんな状況に置かれたのかまでは見えません。ここからは自治体の支援に加え、現地を記録したX投稿も交えながら見ていきます。

佐倉市では高崎川などの氾濫で住宅・事業所・農地まで被害

佐倉市では、台風25号による記録的な大雨で高崎川などが氾濫し、広い範囲で浸水被害が発生しました。

被害は住宅だけではなく、事業所、農地、道路にも及んでいます。県の第12報(訂正)時点では床上浸水300棟で、千葉県内で最も多い数字でした。

冠水した地域では救命ボートを使った救助も行われています。松戸市消防局は千葉県消防広域応援隊として4隊16人を佐倉市へ派遣し、9月22日に住民の救出活動を実施しました。

「床上浸水300棟」という数字に加え、ボートでの救助が必要だった現場があったことを見ると、道路と住宅地の境目が分からなくなるほど水が広がった地域の深刻さが伝わります。

読売新聞写真部は、JR佐倉駅北側の高崎川流域について、実際の浸水状況とハザードマップを比較した映像を投稿しています。

水が引いたあとの生活への影響も残りました。佐倉駅北側の住宅街を歩いた現地投稿では、浸水後に家の外へ出された家具などが並ぶ様子が記録されています。

佐倉市では、床上浸水した住宅の清掃・乾燥後に消毒を行うほか、自分で作業する世帯への消毒薬配布も行っています。

主な浸水要因 高崎川などの氾濫
住家被害 第12報(訂正)時点で床上浸水300棟
被害対象 住宅、事業所、農地、道路など
被災後の対応 浸水住宅の消毒、消毒薬の配布など

鎌ケ谷市では災害ごみの回収や見舞金対応も始まる

鎌ケ谷市では床上54棟、床下138棟、合わせて192棟の住家浸水が確認されています。

水につかった住宅では、使えなくなった家電や家具、畳などの処分も必要になります。市には災害ごみの回収依頼が寄せられ、床上浸水で使用できなくなった家電や粗大ごみなどを災害廃棄物として回収しています。

床上浸水した世帯を対象に、災害見舞金の支給も始まりました。

住家浸水 床上54棟、床下138棟
災害ごみ 浸水で使えなくなった家電・粗大ごみなどを回収
災害見舞金 床上浸水世帯を対象に支給
証明手続き 罹災証明書などを使った支援手続きも進行

浸水は、水が引けば終わる被害ではありません。家具や畳、家電が一度に使えなくなれば大量の廃棄物が出て、その後には清掃、乾燥、消毒、各種申請が続きます。

大網白里市では道路・店舗・車両にも浸水が広がった

大網白里市では、第12報(訂正)時点で床上58棟、床下35棟の計93棟が浸水しています。

市は浸水した住宅を対象に、消毒薬の無料配布や職員による消毒作業を実施。市内では停電も発生しました。

大網白里市では台風25号以前にも冠水被害が重なっていました。大網白里市・九十九里周辺で短期間に冠水が繰り返した経緯については、別記事で時系列を追っています。

千葉でまた冠水 大網白里・九十九里など8月豪雨の被災地に再び大雨 まとめ【9月7日】
千葉県で9月7日に再び大雨となり、8月豪雨で被災した大網白里市や九十九里町で道路・駐車場が再び冠水。営業再開2日後に水が迫った店舗や、復旧途中の住宅支援、再冠水の背景、前回を受けて変わった対策、今後の雨を詳しく整理します。

台風25号通過後に現地へ入った防災減災Pikari支援プロジェクトは、大竹橋交差点付近の店舗周辺や、水没車両が残る道路の様子を記録しています。

台風が通過している最中にも、大網白里市内から冠水の様子が投稿されていました。投稿では、大網イオンなどが駐車場を車両避難に開放していたことにも触れられています。

大網駅裏の南玉周辺でも、水没した車両が確認されています。

さらに、今回の台風では冠水だけでなく、地盤が緩んだ場所で土砂被害も重なりました。

大網白里市では住宅浸水だけでなく、道路、店舗、車両、停電、土砂災害が重なっています。自治体が台風接近前に車両避難場所を開放していたのも、こうした車両冠水への備えでした。

栄町では住家だけでなく農業被害の調査も進む

栄町では床上25棟、床下31棟の計56棟が確認されました。

印旛沼や長門川に近い地域でもあり、住宅だけでなく農地や農業施設への影響も出ています。町では農作物、農業用機械、農業施設の被害調査を始め、復旧に必要な写真や領収書、発注書などを保存するよう農業者へ案内しています。

成田市・印旛沼ではなぜ浸水が長期化した?堤防決壊と排水状況

成田市・印旛沼周辺の被害は、大雨で道路や住宅周辺へ一時的に水がたまったケースとは性質が少し違います。

堤防そのものが決壊し、周辺へ水が流れ込んだうえ、印旛沼の水位も高い状態が続きました。雨が弱まったあとも簡単には水が引かず、9月25日になっても排水と応急復旧が続いています。

北印旛沼と角川で堤防が決壊

千葉県によると、北印旛沼の成田市船形干拓と、農業排水路の角川にあたる成田市下方で堤防が決壊しました。

北印旛沼では堤防がおよそ100メートルにわたって決壊。角川でも堤防の一部が決壊し、北印旛沼や長門川周辺で広範囲の浸水が発生しています。

北印旛沼・成田市船形干拓 堤防が約100mにわたって決壊
角川・成田市下方 農業排水路の堤防の一部が決壊
北印旛沼・長門川周辺 広範囲かつ長期的な浸水が発生

9月25日でも印旛沼の水位は約3.0m

国土交通省によると、9月25日午前7時時点の印旛沼の水位は約3.0mでした。平常時の目安とされる2.3mより、およそ70cm高い状態です。

9月25日7時時点 約3.0m
平常時 約2.3m
当面の目標 一両日中に平常時の2.3mまで低下させる

浸水した土地から水を抜くだけではなく、その水の受け皿になる印旛沼自体の水位を下げる必要があるため、排水には時間がかかります。

「チーム印旛沼」を結成し、3つの対策を同時に進める

国土交通省は9月25日、千葉県、水資源機構、関東地方整備局による「チーム印旛沼」を結成しました。

対策 具体的な内容
印旛沼の水位低下 排水ポンプを最大限稼働させ、平常時の2.3mを目指す
決壊した堤防の応急復旧 3地区4か所で再氾濫を防ぐため応急復旧を進める
浸水地域の緊急排水 排水ポンプ車を30台まで増強して排水を進める

印旛沼の水位を下げ、壊れた堤防を塞ぎ、すでに周辺へ入った水を抜く。この3つを並行して進める必要があります。

台風26号の接近も見据え、応急対応を急ぐ

国土交通省は台風26号の接近も考慮し、緊急排水や応急復旧を1週間程度をめどに進める方針を示しています。

まだ台風25号による水を排出している段階で、次の雨にも備えなければならない状況です。

千葉県以外ではどこが浸水・冠水した?茨城・東京・埼玉などの被害

住家浸水の規模では千葉県が突出していますが、被害は県境で止まったわけではありません。

茨城県では床上2棟・床下40棟

茨城県が9月22日10時時点でまとめた最終報では、床上浸水2棟、床下浸水40棟。合わせて42棟です。

市町村 床上 床下 合計
筑西市 0 19 19
龍ケ崎市 1 2 3
常総市 0 3 3
神栖市 0 3 3
鉾田市 0 3 3
下妻市 0 2 2
坂東市 0 2 2
茨城町 0 2 2
取手市 1 0 1
土浦市 0 1 1
鹿嶋市 0 1 1
稲敷市 0 1 1
八千代町 0 1 1
茨城県計 2 40 42

LuckyFM茨城放送も、台風通過から2日後の県内被害を報じています。

道路冠水では車両10台が立ち往生

茨城県では住宅への浸水とは別に、道路冠水によって車両10台が立ち往生しました。

主な場所 道路 確認された状況
つくばみらい市豊体 県道野田牛久線 約1.8km全面通行止め、車両3台が立ち往生
龍ケ崎市中根台 県道土浦竜ヶ崎線 全面通行止め、水没車両4台
下妻市唐崎 県道つくば古河線 全面通行止め
稲敷市佐倉~美浦村大谷 国道125号 約1.1km全面通行止め
神栖市下幡木 県道鹿島港潮来インター線 約1km全面通行止め

住宅浸水の42棟という数字だけを見ると千葉県との差は大きく見えますが、道路では車が動けなくなるほど水がたまった地域がありました。

埼玉県ではさいたま市で道路冠水21件

埼玉県では消防庁集計で床下浸水1棟。さいたま市では道路冠水21件が確認され、そのうち15件が岩槻区でした。

岩槻区 15件
見沼区 4件
北区 1件
緑区 1件
合計 21件

東京都では4棟、宮崎県でも床下浸水を確認

東京都では床上3棟、床下1棟。宮崎県では床下浸水1棟が消防庁集計に掲載されています。

東京都については、消防庁の全国集計だけでは4棟の市区町村まで特定できません。伊豆諸島でも大雨となりましたが、それだけを根拠に「東京都の4棟は大島町」と結び付けることはできないため、この記事では確認できる東京都全体の数字までにとどめます。

浸水・冠水は住宅以外にどう影響した?道路・下水道・農地・水道施設の被害

住宅に水が入らなくても、道路や下水道が止まれば日常生活への影響は続きます。

千葉県では道路冠水による通行止めが相次ぐ

9月24日時点の県資料では、県管理道路で冠水による全面通行止めが15区間、冠水箇所での片側交互通行が7区間。9月23日16時時点では、県管理道路で88台の被災車両が確認されていました。

冠水道路は水深や路面状態が見えにくいため、車で入るのは危険です。冠水道路を車で走る危険性や大雨時の注意点についても別記事で整理しています。

https://chitama.toku-mo.com/2026/09/9646/

千葉市では冠水事故を防ぐため、末広地下道や寒川・稲荷地下道を事前に通行止めとしました。

松戸市では下水道の使用を控えるよう住民へ要請

松戸市では9月21日朝、新松戸、西馬橋、古ケ崎、栄町、栄町西、小山、上矢切などで下水道が流れにくい状態になりました。

市は洗濯や風呂など大量の水を下水道へ流すことを控えるよう呼びかけ、古ケ崎市民センターでは対象地域の公共下水道利用者へ簡易トイレも配布しました。

下水道 新松戸、西馬橋、古ケ崎、栄町などで流れにくい状態
住民への要請 洗濯や入浴など大量の排水を控える
トイレ対策 古ケ崎市民センターで簡易トイレを配布

佐倉浄水場では送水ポンプ5台が水没

佐倉浄水場では水が施設内へ入り、送水ポンプ5台が水没。成田給水場でも流入流量計が浸水したほか、関連施設で計測設備の水没が報告されています。

住宅とは被害の種類が違いますが、ポンプや電気設備が機能しなくなれば、その先の生活にも影響が及びます。

農地・農業施設では被害調査が続く

千葉県の9月24日時点の資料では、8市町で農地被害16か所、農業施設の浸水など34か所が確認されました。

被害額は、農地・農業用施設が約3,900万円、農作物が約3,500万円、林業関係が約1,300万円。ただし、これは調査途中の数字です。

成田用水地区の新川機場では地下2階部分が約6m浸水し、9月21日から排水作業が続きました。角川集水路の破堤で水田へ水が入った場所もあり、白子排水機場では応急ポンプの手配が行われています。

水産施設でも浸水・停電による被害

水産関係では、定置網や漁協施設、内水面の養殖施設などにも被害が確認されています。

浸水や停電によって養殖魚が死ぬ被害もあり、佐倉市内の水産関係施設では事務所が床上約150cmまで浸水したケースも報告されました。

台風25号では浸水以外にどんな被害が出た?

台風25号では、水害とは別に人的被害や土砂災害、建物損壊、鉄道設備の被害も発生しています。

被害 主な地域 確認されている状況
人的被害 千葉県・神奈川県・宮崎県など 全国で死者12人、行方不明3人
土砂災害 神奈川県など 横浜市内で崖崩れ6か所
建物損壊 神奈川県など 全壊3棟、一部破損4棟など
鉄道被害 千葉県 土砂流入、線路冠水、倒木などで一部区間が長期運休

神奈川県では死者4人、行方不明1人

神奈川県の9月24日15時30分現在の集計では、死者4人、行方不明1人、重傷1人、軽傷3人が確認されています。

死者 4人 横須賀市3人、三浦市1人
行方不明 1人 三浦市
重傷 1人 三浦市
軽傷 3人 平塚市、座間市、葉山町

横浜市内では保土ケ谷区、港北区、鶴見区、戸塚区、都筑区で合わせて6か所の崖崩れも確認されています。

川崎市では港湾部の道路冠水を伝える現地投稿も

神奈川県内では、公式の住家・人的被害集計とは別に、道路冠水を記録した現地投稿も残っています。

9月21日には川崎港郵便局より先の道路について、普通車でも通行できないほど冠水し、水没した車両があったとする投稿がありました。これは個人による現地投稿のため、県の公式被害集計とは分けて掲載します。

千葉県の鉄道では復旧まで数週間から数か月の区間も

千葉県内の鉄道では、台風25号による土砂流入、線路冠水、倒木などが広い範囲で確認されています。

路線・区間 9月25日時点の状況 復旧の目安
内房線 姉ケ崎~木更津 終日運転見合わせ 少なくとも3か月程度
総武本線 榎戸~成東 終日運転見合わせ 1か月程度
成田線 佐原~銚子 終日運転見合わせ 2週間程度
内房線 木更津~安房鴨川 終日運転見合わせ 9月26日始発から再開予定
総武本線 千葉~榎戸、成東~銚子 本数を減らして運転 通常の6割程度
成田線 成田~佐原 本数を減らして運転 通常の8割程度

同じ台風で被災しても、数日で再開できる区間と数か月かかる区間があります。これは単に水が引いたかどうかだけではなく、線路を支える盛土、斜面、橋、電気・信号設備などの損傷状況が違うためです。

台風や豪雨で鉄道の復旧に数カ月かかる理由は、鉄道設備の構造と復旧工程から詳しく解説しています。

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台風25号の被害情報で注意したい3つの点

ここまで掲載してきた数字は、その時点で自治体や国が確認できた被害を集計したものです。

1.浸水件数は速報値で、あとから変わることがある

床上・床下浸水の件数は、現地調査が進み、市町村から県、県から国へ情報が上がるにつれて更新されます。

確認日時 何月何日・何時時点の集計なのか
速報/確定 暫定値なのか調査終了後の数字なのか
集計主体 消防庁、県、市町村のどの発表なのか
未集計地域 数字がないことが「被害なし」を意味するのか

2.道路冠水と住家浸水は分けて見る

床上浸水 住宅内部で床面を超えて水が入った被害
床下浸水 住宅の床下部分まで水が入った被害
道路冠水 道路上に水がたまり、通行などへ影響した状態
広域浸水 住宅、農地、道路など複数の場所へ水が広がった状態

道路が冠水したからといって、周囲の住宅がすべて床上・床下浸水したわけではありません。逆に、住家浸水の数字が少なくても、道路が止まれば地域生活への影響は大きくなります。

3.避難指示やハザードマップは「今回実際に浸水した場所」とは別

避難指示や洪水警報は、被害が確認される前から雨量、河川水位、今後の危険度に応じて発表されます。

ハザードマップも「一定条件で浸水する可能性」を示したものであり、その区域全体が今回の台風25号で実際に浸水したという意味ではありません。

大雨時は、過去の被害実績だけで避難判断をしないでください。
今回浸水しなかった場所でも、次の大雨では条件が変わる可能性があります。現在の警報・避難情報・河川水位と、地域のハザードマップを組み合わせて確認することが大切です。

警戒レベルやハザードマップ、避難判断の考え方については、大雨時の防災情報と避難判断を整理した記事でも詳しく解説しています。

「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」とは?発表されたら何をする?避難判断までわかりやすく解説
「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」が出たらどうする?今後3時間以内という意味や避難指示との違い、キキクル・河川情報・ハザードマップの確認方法、警戒レベル、マンション・川沿い・夜間など状況別の避難判断まで、最新の公式情報をもとにわかりやすく解説します。

Xの現地投稿を見るときの注意点

この記事では、将来「当時どんな状態だったのか」をたどれるよう、Xに残された写真や動画も記録として掲載しました。

ただし、X投稿には自治体や国の公式資料とは違う性質があります。一般ユーザーの投稿は、その人が見た場所・時間の状況を示すものです。地域全体の被害状況を、その1枚だけで判断することはできません。

この記事でのX投稿の扱い
消防・国土交通省・報道機関の投稿は公表情報を視覚的に補う資料として、一般ユーザーや現地団体の投稿は「その地点で記録された状況」として掲載しています。住家被害件数などの集計は、Xではなく行政の公表資料を基準にしています。

また、投稿者による削除、アカウントの非公開化、X側の仕様変更などにより、将来画像が表示されなくなる可能性があります。その場合でも災害の経過が分かるよう、本文側にも地域、日時、何が確認されたのかを残しています。

まとめ|台風25号の浸水被害は千葉県に集中し、茨城県などでも冠水

2026年9月25日8時時点で、台風25号による住家浸水は全国932棟。このうち千葉県が884棟を占めています。

千葉県内では、第12報(訂正)時点で佐倉市300棟、鎌ケ谷市192棟、大網白里市93棟など、一部の市町へ住家被害が集中しました。

一方、成田市・印旛沼周辺では住家件数だけでは実態を捉えにくく、堤防決壊による広範囲の浸水と長期間の排水が大きな問題になっています。

茨城県では42棟の住家浸水に加えて道路冠水による車両の立ち往生が発生。埼玉県でもさいたま市を中心に道路冠水が確認されました。

千葉県では住宅以外にも、道路、下水道、水道施設、農地、農業施設、水産施設へ被害が広がっています。鉄道では、一部区間で数週間から数か月単位の復旧見込みも示されています。

台風25号の被害を記録として振り返るときは、「住宅が何棟浸水したか」だけではなく、どこに水が入り、その結果として交通、生活インフラ、農業、地域の復旧にどんな影響が残ったのかまで見ることで、被害の全体像がつかみやすくなります。

参考リンク

この記事の作成・更新にあたり、消防庁、国土交通省、千葉県、各自治体などの公表情報を確認しています。災害情報は更新されるため、最新状況は各機関の発表もあわせてご確認ください。

※被害状況は2026年9月25日に確認できた公表情報を基準にしています。速報値や調査途中の数字を含むため、今後更新される場合があります。

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