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台風は年間何個発生する?平均25.1個・最多39個と月別の記録を解説

災害
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2026年11月7日、台風32号「チャンパカ」が発生しました。「32号まで発生するのは、どれほど多いのだろう?」と気になった人もいるでしょう。台風は毎年発生しますが、その数は年によって大きく変わります。

気象庁の平年値では、台風の年間発生数は25.1個。1951年以降の最多は1967年の39個、最少は2010年の14個です。ただし、この発生数は日本への上陸数ではありません。

この記事では、月別の発生数、過去の最多・最少記録、台風が増減する理由、日本への影響を気象庁の資料から確認します。2026年の32号についても、速報と確定統計を区別して読み解きます。

台風は年間何個発生する?平年は25.1個

気象庁が公表する年間発生数の平年値は25.1個です。対象は日本の周辺だけでなく、北西太平洋や南シナ海で発生した台風。日本から遠い海上で発生し、国内に接近しなかったものも含まれます。

25.1個は1991〜2020年の30年間の平均

平年値は1991〜2020年の観測結果から計算した30年平均です。「毎年25個前後になる」という予測ではなく、ある年が多いか少ないかを比較する基準になります。年間30個なら平年値より4.9個多い計算ですが、それだけで異常気象と決めることはできません。

「平均26.1個」という資料もあるのはなぜ?

別の資料では年間平均26.1個と書かれている場合があります。国土技術研究センターが紹介する26.1個は1951〜2021年の71年間の平均で、気象庁の現行平年値とは集計期間が異なります。数字の食い違いは、調べた期間の違いから生じています。本記事では比較の基準を25.1個に統一します。

年間平均 集計期間 資料
25.1個 1991〜2020年 気象庁の平年値
26.1個 1951〜2021年 国土技術研究センターの解説

出典:気象庁「台風の平年値」、国土技術研究センター「台風の進路にある日本」。

何をもって「台風が1個発生した」と数える?

気象庁は、赤道より北で東経180度より西の北西太平洋、または南シナ海にある熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が約17.2m/s以上になったものを台風と呼びます。低気圧が生まれただけでは台風に数えず、この基準に達した時点で発生として扱います。

台風の発生数は協定世界時(UTC)で集計されます。日本時間との時差は9時間なので、月末や年末に発生した場合は、資料がどちらの時間を使うかにも注意が必要です。

台風が最も多かった年と少なかった年は?

1951〜2025年の確定統計では、最多と最少の差は25個。平年の年間発生数にほぼ相当するほどの開きがあります。

記録 年 年間発生数
最多1位 1967年 39個
最多2位タイ 1971年・1994年 36個
最多4位 1966年 35個
最少1位 2010年 14個
最少2位 1998年 16個
最少3位 2023年 17個

出典:気象庁「台風の発生数ランキング」。

最多は1967年の39個

1967年は39個発生し、1951年以降の最多記録です。8月と9月にはそれぞれ9個発生し、この2か月だけで年間の約46%を占めました。1971年と1994年は各36個、1966年は35個。30個を大きく超えた年は過去にも存在します。

最少は2010年の14個

2010年の14個は、最多年の約36%にとどまります。1998年は16個、2023年は17個でした。このように、年間の発生数は大きく変動します。ただし、発生数が少ないことと、日本で災害が起きないことは別問題です。

2026年の32号は歴代最多ではない

2026年11月7日に32号が発生したことは注目に値しますが、1967年の39個には届いていません。過去には1974年や1989年にも年間32個が記録されています。2026年の発生状況は後の章で詳しく確認します。

台風は何月に多い?月別発生数を一覧で比較

最も多いのは8月の5.7個、次が9月の5.0個です。7〜10月の合計は17.8個で、年間平年値の約71%を占めます。一方、冬でも発生数がゼロになるわけではありません。

月 発生数の平年値 月 発生数の平年値
1月 0.3個 7月 3.7個
2月 0.3個 8月 5.7個
3月 0.3個 9月 5.0個
4月 0.6個 10月 3.4個
5月 1.0個 11月 2.2個
6月 1.7個 12月 1.0個
年間 25.1個

出典:気象庁「台風の平年値」。端数処理により、月別の数字を足しても年間値と一致しない場合があります。

8月と9月に集中する理由

夏から秋にかけては、熱帯の海上で台風が発生・発達するための条件が整いやすくなります。暖かい海から供給される水蒸気は台風のエネルギー源になりますが、海面水温だけで発生が決まるわけではありません。上空の風や大気の湿り具合も関係します。

なお、日本への上陸数の平年値が最も多いのは9月の1.0個で、8月の0.9個を上回ります。「発生が多い月」と「日本への上陸が多い月」は同じとは限りません。

11月・12月や真冬にも発生する

11月は平均2.2個、12月は1.0個。1月と2月にもそれぞれ0.3個という平年値があります。0.3個とは毎年0.3個ずつ発生するという意味ではなく、発生しない年も含めた長期平均です。台風には暦上の「発生終了日」はありません。

また、「1か月に4個発生」と「同時に4個存在」は別の数え方です。前者は期間内に新たに台風になった数、後者はある時点で活動していた数。詳しい事例は台風が同時に4つ存在した過去の記録で紹介しています。

なぜ台風の年間発生数は年によって変わる?

発生数の変動には、海面水温、大気中の水蒸気、風の状態、熱帯域の大規模な気象現象などが関係します。どれか一つの条件だけで、年間発生数を説明することはできません。

暖かい海だけでは台風は生まれない

一般に台風は海面水温が26〜27℃程度以上の暖かい海域で発生しやすいと説明されます。海から蒸発した水蒸気が雲になるときに放出する熱が、熱帯低気圧の発達を支えます。

ただし、上空と海面付近の風向・風速の差が大きいと、発達中の雲のまとまりが崩れやすくなります。こうした上下の風の違いを「鉛直シア」と呼びます。海が暖かくても、風や大気の条件によって台風は発達しにくくなるのです。

エルニーニョ・ラニーニャ現象との関係

エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、赤道付近の太平洋の海面水温が平年から大きく変化する現象です。気象庁の1951〜2021年の分析では、エルニーニョ時には台風の発生位置が平常時より南東寄り、ラニーニャ時には西寄りになる傾向が確認されています。

また、エルニーニョ時は夏の台風の寿命が長く、ラニーニャ時は秋・冬の寿命が短くなる傾向もあります。しかし、「エルニーニョなら台風が必ず増える」といった単純な対応関係ではありません。発生数、発生場所、寿命は別々に考える必要があります。

温暖化で台風は毎年増えている?

気象庁の「日本の気候変動2025」では、1951年以降の台風発生数や日本への接近数について、明瞭な長期変化傾向は見られないとしています。ただし、これは気候変動が台風に影響しないという意味ではありません。

将来予測では、日本付近の台風の強度が強まり、台風に伴う降水量が増えることが予測されています。「何個発生するか」と「1個の台風がどれほど強い風雨をもたらすか」は異なる指標です。ある年に32個発生した原因を温暖化だけに求めることもできません。

参考:気象庁「日本の気候変動2025」。

台風が多い年は日本への被害も増える?

年間の発生数が多いと、日本にも次々と上陸するように感じるかもしれません。しかし、発生した台風のすべてが日本へ近づくわけではありません。まずは統計上の言葉を分けてみましょう。

発生25.1個・接近11.7個・上陸3.0個の違い

区分 年間平年値 意味
発生 25.1個 北西太平洋などで台風になった数
日本への接近 11.7個 中心が国内の気象官署から300km以内に入った数
日本への上陸 3.0個 中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達した数

出典:気象庁「台風の平年値」。接近数には上陸した台風も含まれるため、3つの数字を足すことはできません。

全国の接近数は地域ごとの接近数とも異なります。例えば沖縄地方への接近は年間平均7.7個、東北地方は2.7個です。全国の発生数を見ただけでは、住んでいる地域への影響は分かりません。

被害は進路・勢力・雨の降り方で変わる

台風による被害は、進路、勢力、移動速度、雨の降り方、地形、人口や建物の分布などによって変わります。日本に上陸しなくても、台風から流れ込む湿った空気が前線の活動を強めて大雨を降らせたり、遠くの海岸にうねりを届けたりする場合があります。

そのため「年間30個以上発生したから日本も危険」「20個未満だから安全」という判断はできません。進路と地域別の警報・注意報を確認することが重要です。台風シーズンのリスクについては2026年の台風シーズンと日本への影響でも詳しく解説しています。

2025年は発生数が平年並みでも被害が発生

気象庁が2026年3月に確定した2025年の記録では、発生数は27個、接近数は13個、上陸数は3個でした。いずれも平年並みと評価されています。それでも、台風15号に伴い各地で竜巻などの激しい突風が発生しました。

さらに台風22号は非常に強い勢力で伊豆諸島へ接近し、大雨・暴風・波浪の特別警報が発表されました。翌週には台風23号も強い勢力で接近し、再び大雨などをもたらしました。年間の個数が平年並みでも、特定の地域が短期間に繰り返し影響を受けることがあります。

出典:気象庁「2025年の台風について(確定)」。

2026年の台風32号はどれほど珍しい?

2026年11月7日12時、マリアナ諸島付近で台風32号「チャンパカ」が発生しました。発生時の中心気圧は1002hPa、最大風速は18m/sです。年間の台風番号が32号に達したのは1994年以来32年ぶりで、1951年以降では9例目と報じられています。

「32年ぶり」は11月の発生ではなく年間32号到達

11月の台風発生数は平年2.2個です。珍しいのは11月に発生したことそのものではなく、その年の通し番号が32号に達したことです。「11月に32個発生した」「32個が日本へ接近した」という意味ではありません。

気象庁の31個と報道の32号はなぜ違う?

気象庁の年間発生数一覧には、2026年11月6日現在の速報値として31個が掲載されています。その翌日の11月7日12時に32号が発生したため、数字の差は資料の対象日時によるものです。

資料・情報 数字 対象日時
気象庁の発生数一覧 31個 11月6日現在
台風32号の発生発表 32個目 11月7日12時
2026年の年間確定値 未確定 11月7日時点

出典:気象庁「台風の発生数」、ウェザーニュース(2026年11月7日13時16分)。

なお、11月7日21時時点の報道では、台風32号が10〜11日ごろ小笠原諸島へ強い勢力で近づくおそれがあるとされていました。これは当時の予報で、将来の進路や被害が確定したことを示しません。最新情報は気象庁の台風情報を確認してください。

台風の発生数についてよくある質問

台風1号は必ず1月に発生する?

いいえ。その年に最初に発生した台風が1号です。1月に発生しなければ、春以降に1号が付くこともあります。

年間30個を超えたら異常気象?

30個を超えただけでは断定できません。過去にも年間30個以上発生した年は複数あります。異常気象かどうかは、長期的な統計や海洋・大気の状態を踏まえて判断する必要があります。

台風が少ない年なら安心?

いいえ。発生数が少なくても、強い台風が日本に接近したり、同じ地域に続けて影響したりすることがあります。個々の台風の予報と自治体の防災情報を確認してください。

まとめ|台風は年間平均25.1個、発生数だけで危険度は決まらない

台風の年間発生数は平年25.1個で、最多は1967年の39個、最少は2010年の14個です。発生数が最も多い月は8月ですが、日本への上陸数は9月が最多となっています。

  • 年間平均25.1個は1991〜2020年の平年値。
  • 最多39個、最少14個と年ごとの差が大きい。
  • 7〜10月に年間の約71%が発生する。
  • 日本への接近は年平均11.7個、上陸は3.0個。
  • 2026年11月7日に32号が発生したが、年間確定値ではない。

台風のニュースで大切なのは、数の多さと地域の危険を分けて考えることです。年間統計で傾向を理解し、実際の備えは最新の進路予報や警報・注意報に基づいて判断しましょう。

参考資料・情報源

※平年値は1991〜2020年の30年平均。歴代ランキングは2025年までの確定値。2026年の台風32号に関する情報は2026年11月7日時点のもので、今後更新されます。

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