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宮城県沖地震はいつ来る?30年以内90%の意味・周期・3.11との関係を最新評価で解説

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「宮城県沖地震は30年以内に90%」

こんな数字を見ると、「そんなに高いの?」「もうすぐ大きな地震が来るってこと?」と気になりますよね。

ただ、最初に整理しておきたいことがあります。

宮城県沖で想定されている地震にはいくつか種類があり、「90%」という数字が、宮城県沖で起きるすべての地震を指しているわけではありません。

2026年時点の地震本部の長期評価を見ると、宮城県沖では規模や起こり方の異なる複数の地震が評価されています。

30年以内の発生確率が20%程度のものもあれば、90%程度、80〜90%程度以上とされているものもあります。

  • 宮城県沖では、複数タイプの地震が長期評価されている
  • 一般に「宮城県沖地震」と呼ばれるM7.4前後の地震は、30年以内80〜90%程度以上
  • 平均38年は「38年ごとに必ず起きる」という意味ではない
  • 現在の科学では「○月○日に起きる」という正確な日時予測はできない

さらに、「平均38年」という数字もありますが、38年ごとに地震が来るという予定表ではありません。

2011年の東日本大震災との関係も、以前よく見られた説明と現在の評価では整理が変わっています。

この記事では、「何の地震が90%なのか」から始めて、宮城県沖地震の周期、3.11との関係、想定される揺れや津波、最近の地震を前兆と考えていいのか、今できる備えまで順番に見ていきます。

怖い数字だけを見るのではなく、何が分かっていて、何がまだ分からないのかを一緒に整理していきましょう。

宮城県沖地震は30年以内に90%?2026年の最新発生確率を確認

まず結論から見ると、「宮城県沖の地震は30年以内90%」という説明は、完全な間違いではないものの、それだけではかなり情報が足りません。

宮城県沖では複数タイプの地震が評価され、それぞれ規模も30年以内の発生確率も違います。

2026年1月1日を算定基準日とした長期評価を並べてみましょう。

「90%」は宮城県沖で起きるすべての地震の確率ではない

地震のタイプ 想定される規模 30年以内の発生確率
宮城県沖のプレート間巨大地震 M7.9程度 20%程度
ひとまわり小さいプレート間地震 M7.0〜7.5程度 90%程度
陸寄りで繰り返す地震
(一般に「宮城県沖地震」と呼ばれる地震)
M7.4前後 80〜90%程度以上

こうして並べると、「90%」だけを切り取ると分かりにくい理由が見えてきます。

M7.9程度のプレート間巨大地震は20%程度。一方、M7.0〜7.5程度のひとまわり小さいプレート間地震は90%程度です。

そして、この記事で中心的に扱う陸寄りで繰り返すM7.4前後の「宮城県沖地震」は、30年以内80〜90%程度以上と評価されています。

「宮城県沖=全部90%」ではないわけですね。

宮城県沖では複数タイプの地震が評価されている

どうして同じ「宮城県沖」なのに数字がいくつもあるのでしょう。

宮城県沖では太平洋プレートが陸側のプレートの下へ沈み込んでいて、その周辺では発生場所や規模の異なる地震が起こります。

そのため地震本部も、宮城県沖で起きる地震をひとまとめにせず、規模や起こり方などに応じて分けて長期評価しています。

ニュースで単に「宮城県沖の地震」と書かれていても、それが長期評価でいうM7.4前後の「宮城県沖地震」と同じものとは限りません。

M7.9程度・M7.0〜7.5程度・M7.4前後で発生確率は違う

表を見ると、地震の規模が大きいほど発生確率も高くなるわけではないことにも気づきます。

M7.9程度が20%程度なのに、M7.0〜7.5程度では90%程度。

「大きい方が20%で、小さい方が90%なのはなぜ?」と感じるかもしれません。

これは、マグニチュードの大きさだけで確率を決めているわけではないからです。

過去の発生履歴や発生間隔など、それぞれの地震活動の特徴をもとに評価されています。

一般に「宮城県沖地震」と呼ばれるのはどの地震?

今回の記事でいう「宮城県沖地震」は、主に宮城県沖の陸寄りで繰り返し発生する地震を指します。

地震本部では、このタイプをM7.4前後、30年以内の発生確率80〜90%程度以上と評価しています。

ただ、「宮城県沖地震」という言葉は少しややこしいところがあります。

日常的には「宮城県沖を震源とする地震」という広い意味で使われることもあるため、ニュースの見出しだけを見て「これは長期評価でいう宮城県沖地震だ」と判断しない方がいいでしょう。

30年以内90%は「今年90%で起きる」という意味ではない

ここは特に誤解しやすいところです。

「30年以内90%」と聞くと、「今年も90%」「来年も90%」のように感じるかもしれません。

でも、そういう意味ではありません。

ある基準日から30年間のうちに、対象となる地震が発生する確率を示したものです。

「90%だから今年中にほぼ来る」とも言えませんし、「今年来なかったから予測が外れた」というものでもありません。

長期評価は地震の日付を当てるためではなく、その地域で長期的にどの程度備えておく必要があるのかを考えるための指標として見た方が分かりやすいです。

マグニチュードと震度も別の数字

もうひとつ、「M7.4なら震度7なの?」という疑問もあります。

  • マグニチュード:地震そのものの規模
  • 震度:ある場所での揺れの強さ

同じM7.4の地震でも、震源からの距離や深さ、地盤などによって各地の震度は変わります。

「M7.4前後だから宮城県全体が震度7になる」という意味ではありません。

では、宮城県沖地震は実際にどれくらいの間隔で起きてきたのでしょう。

宮城県沖地震は何年周期?平均38年と過去の発生履歴を確認

宮城県沖地震について調べると、「30〜40年周期」「平均38年」といった数字をよく見かけます。

すると、「38年ごとなら次はいつ?」と計算したくなりますよね。

ただ、平均38年は、38年おきに地震が来る予定表ではありません。

まずは、どうして38.0年という数字が使われているのか、過去の活動から見てみましょう。

宮城県沖地震の平均発生間隔は38.0年

地震本部は、宮城県沖の陸寄りで繰り返すM7級の地震について、平均発生間隔を38.0年と評価しています。

これは、1978年の地震だけを見て出した数字ではありません。

過去の震源位置などから、1897年、1930年代、1978年、2010年前後の地震活動を、それぞれ一つの活動として整理しています。

2010年前後については、2005年の地震と2011年の東北地方太平洋沖地震を一つの活動として扱う整理です。

1897年から2011年までの約110年間に4回の活動があったとみなし、そこから平均発生間隔約38.0年という数字が出ています。

過去の宮城県沖地震を年表で見てみよう

時期 主な活動 ポイント
1897年 宮城県沖のM7級地震 繰り返し活動の一つとして評価
1930年代 1933年・1936年・1937年 近い時期の複数地震を一連の活動として整理
1978年 1978年宮城県沖地震 M7.4 仙台市などで大きな被害
2010年前後 2005年の地震と2011年東北地方太平洋沖地震 一つの地震活動として整理

こうして見ると、「1897年→1936年→1978年→2011年」と一つずつ単純に並べればいいわけではないことが分かります。

1930年代のように複数の地震を一まとまりとして見る時期もありますし、2010年前後も2005年と2011年を含めて評価されています。

「宮城県沖地震は38年ごと」と言い切るより、長期的に見ると平均して約38年程度の間隔で活動してきたと考える方が近いでしょう。

1978年宮城県沖地震では大きな被害が出た

過去の宮城県沖地震の中でも、よく知られているのが1978年6月12日の「1978年宮城県沖地震」です。

規模はM7.4。死者28人、負傷者1,325人など大きな被害が出ました。

特に、新しく造成された住宅地やブロック塀など、都市部での被害が目立った地震として知られています。

被害については後ほど、「宮城県沖地震が起きたら震度はいくつ?」の章でもう少し詳しく見ていきます。

2005年のM7.2は「次の宮城県沖地震」だったの?

1978年の次に注目されたのが、2005年8月16日に宮城県沖で起きたM7.2の地震です。

規模だけを見ると1978年のM7.4に近いため、「これが次の宮城県沖地震だったのでは?」と思うところです。

ただ、当時は2005年の地震だけで、想定されていた宮城県沖地震の震源域全体が破壊されたとは考えられていませんでした。

その後、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生します。

現在の整理では、2005年と2011年を含む「2010年前後」を、宮城県沖における一つの活動とみなしています。

「平均38年」は38年ごとに必ず起きるという意味ではない

地震は時計のアラームのように、38年たった瞬間に起きるものではありません。

平均年齢38歳の集団でも、全員が38歳ではないのと似ています。

地震の発生間隔にもばらつきがあり、その履歴をまとめて見たときの平均が38.0年です。

そのため、

「前回から38年たった=もうすぐ必ず起きる」

とも、

「まだ38年たっていない=しばらく起きない」

とも言えません。

地震後経過率0.39はどう読めばいい?

地震本部の資料には、宮城県沖地震について「地震後経過率0.39」という数字もあります。

地震後経過率は、最新の地震から経過した時間を平均発生間隔と比べるための指標です。

ただし、0.39だからといって「次の地震まで39%進んだ」「残り61%」という意味ではありません。

地震にはあらかじめ決まった発生日がないので、ゲームの進捗率のようには読めないんですね。

そして現在の評価では、最新発生時期を1978年ではなく、2011年3月11日としています。

ここで、「東日本大震災が宮城県沖地震だったの?」という疑問が出てきます。

東日本大震災で宮城県沖地震は起きた?2011年3月11日との関係

以前は1978年宮城県沖地震を基準にして、「次の宮城県沖地震がいつ来るか」がよく語られていました。

ところが現在の地震本部は、陸寄りで繰り返す宮城県沖地震の最新発生時期を2011年3月11日としています。

そうなると、「東日本大震災が宮城県沖地震だったの?」「2011年から周期を数え直せばいいの?」という疑問が出てきます。

ここは、単純な「はい・いいえ」だけでは整理しにくいところです。

現在の地震本部は最新発生時期を2011年3月11日としている

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震はM9.0。

宮城県沖だけで完結した地震ではなく、非常に広い領域が関係した巨大地震でした。

その震源域には宮城県沖も含まれています。

そのため現在の長期評価では、1978年を最後の発生として扱うのではなく、2011年3月11日を最新発生時期としています。

「1978年から宮城県沖地震は起きていない」は現在の評価と違う

古い記事や過去の解説を読むと、ここで混乱することがあります。

東日本大震災の直後やそれ以前には、「1978年型の宮城県沖地震」と東日本大震災を分けて説明するものもありました。

そのため、「3.11とは別なので、1978年型の宮城県沖地震はまだ起きていない」といった説明を見たことがあるかもしれません。

ただ、2026年現在の記事で「1978年から約48年間、宮城県沖地震が起きていない」と書くのは、現在の地震本部の長期評価とは合いません。

東日本大震災では宮城県沖を含む広い領域が動いた

では、2011年を「1978年と同じ地震がもう一度単独で起きた」と考えればいいのでしょうか。

これも少し違います。

東北地方太平洋沖地震はM9.0で、従来のM7級の宮城県沖地震より、はるかに広い領域が関係した巨大地震です。

「1978年と同じタイプの地震が単独で再発した」というより、「2011年の巨大地震の震源域に、宮城県沖の領域も含まれていた」と考える方が分かりやすいでしょう。

それでも「2011年で完全にリセットされた」とは言い切れない

ここで、「じゃあ2011年から平均38年を数えればいいの?」という話になります。

単純計算なら2049年ごろまで時間がありそうに見えます。

ただ、そう考えるのも適切ではありません。

地震本部は、東北地方太平洋沖地震後の余効すべりによる応力変化の影響で、宮城県沖の陸寄りでは、巨大地震以前の平均的な状況より地震が発生しやすくなったと考えられるとしています。

大きな地震が起きると地下の力のかかり方も変わります。

「一度大きく動いたから、すべてリセットされて当分安全」とはいかないわけです。

2011年から約15年なのに、なぜ30年以内80〜90%程度以上なの?

ここで、第1章の数字につながります。

最新発生時期は2011年。平均発生間隔は38.0年。

それでも2026年時点で、30年以内の発生確率は80〜90%程度以上です。

「まだ15年ほどしかたっていないのに?」と感じますよね。

ただ、平均38年は次の発生日ではありません。

さらに地震本部は、東日本大震災後の応力変化の影響により、実際の発生確率は示されている数字より高い可能性もあるとしています。

そのため、「2011年からまだ15年だから、あと20年くらいは大丈夫」とは言えません。

宮城県沖地震が起きたら震度はいくつ?津波・被害想定を確認

確率や周期が分かっても、「実際に起きたら自宅はどのくらい揺れる?」「仙台でも大きな被害が出る?」「津波は?」という疑問が残ります。

ここはマグニチュードの数字だけを見ても答えは出ません。

実際の揺れや被害は、震源の位置や深さ、地盤、建物、そして自分がいる場所によって変わります。

想定される震度はマグニチュードだけでは決まらない

マグニチュードは地震そのものの規模、震度はその場所でどれくらい強く揺れたかを示します。

同じ一つの地震でも、震源の近くと遠くでは揺れ方が違います。

さらに、震源から似た距離にあっても、地盤の違いによって震度に差が出ることがあります。

そのため、「宮城県沖地震が起きたら仙台市は必ず震度○」のように、一つの数字では決められません。

1978年宮城県沖地震では都市部にも大きな被害が出た

実例として参考になるのが1978年6月12日の宮城県沖地震です。

規模はM7.4。岩手県大船渡市、宮城県石巻市・仙台市、山形県新庄市、福島県福島市で当時の震度5を観測しました。

  • 死者28人
  • 負傷者1,325人
  • 住家全壊1,183棟
  • 住家半壊5,574棟

特に目立ったのが、新しく造成された住宅地やブロック塀の被害です。

「海の近くで起きる地震だから、沿岸部だけ気にすればいい」という地震ではありませんでした。

建物だけでなくブロック塀・家具・落下物にも注意したい

地震の被害というと「家が倒れるかどうか」に目が向きがちですが、それだけではありません。

道路沿いの塀、家具、テレビ、食器棚、窓ガラス、棚の上に置いた物。

建物が倒壊しなくても、強い揺れの中ではこうした身近な物が危険になります。

自宅の耐震性だけでなく、寝る場所の横に背の高い家具がないか、避難経路をふさぎそうな物がないか、通勤・通学路に古い塀がないかまで考えてみると、備える場所が見えてきます。

宮城県沖地震で津波は来る?地震のタイプによって違う

宮城県沖の地震と聞くと、津波も気になります。

ただ、宮城県沖で起きるすべての地震が同じ規模の津波を起こすわけではありません。

地震の規模だけでなく、震源の位置、深さ、断層の動き方などによって、津波の発生や大きさは変わります。

1978年宮城県沖地震では北海道から関東地方の太平洋沿岸で津波が観測され、仙台新港では30cmを観測しました。一方、この地震で津波による被害は報告されていません。

だからといって、「宮城県沖地震なら津波は小さい」と考えるのは危険です。

沿岸部で強い揺れを感じたり、津波警報・注意報が発表されたりした場合は、そのときの情報に従って行動する必要があります。

宮城県では2026年に第五次地震被害想定調査を公表している

宮城県は2026年5月、「第五次地震被害想定調査」の最終報告書を公表しています。

この調査では、地形・地質などの地盤条件に加え、人口、建物、ライフラインなどの社会条件も使いながら、想定地震による被害を評価しています。

  • 地震による揺れ
  • 液状化
  • 津波浸水
  • 人的被害
  • 建物被害
  • ライフラインへの影響
  • 経済被害

などが対象です。

ただ、県全体の被害数字を見るだけでは、自分の生活への影響までは分かりません。

同じ宮城県内でも、沿岸部と内陸部、平野部と山間部では条件が違います。

沿岸15市町では津波災害警戒区域も指定されている

宮城県は2026年3月23日、沿岸15市町で「津波災害警戒区域」を指定しています。

対象は、仙台市、石巻市、塩竈市、気仙沼市、名取市、多賀城市、岩沼市、東松島市、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、女川町、南三陸町です。

ただし、これらの市町全域が同じ津波リスクという意味ではありません。

市町村名だけで判断せず、自宅や職場の位置をハザードマップで確認する必要があります。

自宅や職場の危険度は市町村のハザードマップで確認する

「結局、自分の家はどうなの?」まで知りたいなら、県全体の想定より市町村のハザードマップを見る方が役に立ちます。

自宅だけでなく、

  • 職場
  • 学校・保育園
  • よく使う駅
  • 買い物へ行く場所

も確認しておくと、地震が起きた時間によってどんな行動が必要になるかが見えてきます。

津波警報が出たときの動き方や避難先の考え方をもう少し詳しく確認したい場合は、津波から避難するときに確認しておきたいポイントも参考になります。

※リンク先は南海トラフをテーマにした記事ですが、ここでは津波避難の一般的な考え方を確認する参考記事として紹介しています。

2026年5月の宮城県沖M6.4は前兆?次の大地震はいつ来る?

2026年5月15日、宮城県沖でM6.4の地震が発生し、宮城県内で最大震度5弱を観測しました。

こうした地震が起きると、「いよいよ次の大きな宮城県沖地震が近いのでは?」と感じるかもしれません。

ただ、2026年5月のM6.4が起きたからといって、それだけで次のM7級地震の前兆だったと判断することはできません。

2026年5月15日にM6.4・最大震度5弱の地震が発生した

気象庁によると、地震が発生したのは2026年5月15日20時22分ごろ。

震源は宮城県沖、深さ46km、マグニチュード6.4でした。

宮城県の登米市、大崎市、石巻市で最大震度5弱を観測し、北海道から中部地方にかけて震度4〜1が観測されています。

発震機構は逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震とされています。

なお、この地震による津波の心配はないと気象庁から発表されました。

2026年5月のM6.4は「宮城県沖地震」そのものなの?

宮城県沖で起きたプレート境界型の地震ではありますが、この記事で扱っているM7.4前後の「陸寄りで繰り返す宮城県沖地震」そのものと単純に同一視するのは避けた方がいいです。

「宮城県沖を震源とする地震」と、長期評価で特定のタイプとして扱われる「宮城県沖地震」は、必ずしも同じ意味ではありません。

最近地震が起きたから大地震が近いとは判断できない

一番気をつけたいのが、

「少し大きめの地震があった → 次はもっと大きな地震が来る」

という一直線の考え方です。

あとから振り返れば「あの地震の前にも別の地震があった」というケースはあります。

でも、地震が起きる前の時点で、それを「大地震の前兆だ」と高い確度で見分けるのは別の話です。

2026年5月のM6.4についても、それ単独を材料に「次のM7級地震が近い」と断定することはできません。

反対に、「M6.4が一度起きたから、しばらく大地震は来ない」と考えることもできません。

小さな地震が増えたら大地震の前兆と言える?

「最近、小さな地震が多い気がする」という話もよくあります。

地震活動が一時的に活発になることはありますが、それだけを見て「○日以内に大地震が起きる」と予測することはできません。

現在の科学では、地震が起きる時・場所・大きさを高い確度で限定した予測は難しいとされています。

現在の科学では地震の日時・場所・規模を正確に予測できない

では、宮城県沖地震はいつ来るのでしょう。

残念ながら、「2028年○月○日に宮城県沖でM7.4」のように、日時・場所・規模を絞って高い確度で予測することは現在できません。

だから、「○月○日に大地震が来る」と日付まで断定する情報には注意したいところです。

30年以内の発生確率は、いつ起きるかを当てる数字ではありません。

長期的に見て発生する可能性が高い地域だと評価されていることを、防災へつなげるための数字です。

宮城県沖地震の高い発生確率をどう考える?今からできる備え

ここまで読むと、「結局、この高い発生確率をどう受け止めればいいの?」というところへ戻ってきます。

明日起きると決まっているわけではない。でも、「まだ何十年も来ない」と言える数字でもない。

毎日おびえて暮らす必要はありませんが、何も準備しないままにしておく理由もありません。

「いつ来るか」を当てるより、「来たときに困ることを減らしておく」。

ここからは、その考え方で見ていきます。

まず自宅・職場のハザードマップを確認する

防災というと、水や非常食を買うところから始めたくなります。

もちろん備蓄も必要ですが、その前に、自分が普段いる場所にどんな危険があるのか確認しておきたいところです。

自宅だけでなく、職場、学校や保育園、よく使う駅、実家、買い物へ行く場所も見てみましょう。

平日の昼なら家族が全員別の場所にいるかもしれません。夜なら自宅にいる可能性が高くなります。

この違いを知っておくと、自分に必要な備えが見つけやすくなります。

沿岸部では津波浸水想定と避難場所を確認する

沿岸部で暮らしている、働いている、学校へ通っているなら、揺れだけでなく津波も考えておきたいところです。

「海から何km離れているか」だけでなく、実際の津波浸水想定を見てみましょう。

自宅が浸水想定区域に入っていたら、次に見るのは避難先です。

「近くの学校へ行けばいいだろう」ではなく、津波時の避難場所として指定されているかまで確認しておくと判断しやすくなります。

避難場所だけでなく「どうやって行くか」まで見ておく

避難場所の名前を知っていても、災害時にそこまで行けるとは限りません。

夜だったらどうか。停電していたら。道路に倒木や倒れた塀があったら。

一度は実際に歩いてみて、

  • 徒歩で何分くらいかかるか
  • 急な坂や狭い道路はないか
  • 古いブロック塀はないか
  • 夜でも迷わず行けそうか
  • 別ルートはあるか

まで見ておくと、地図を見るだけより具体的になります。

家具・テレビ・棚などの転倒や落下を防ぐ

地震対策で後回しになりやすいのが家の中です。

まず寝室を見てみませんか。

ベッドや布団の横に背の高い棚がある。頭の上に重い物を置いている。出入口の近くに倒れそうな家具がある。

当てはまるなら、家具固定だけでなく配置を変えることでも危険を減らせます。

家具固定や非常持出品などをさらに具体的に確認したい場合は、家庭でできる地震への防災対策と備蓄をまとめた記事も参考にしてみてください。

水・食料はまず3日分、大規模災害なら1週間も考える

宮城県は、飲料水について1人1日3リットルを目安に3日分、非常食も3日分を備える例を示しています。

さらに、大規模災害では1週間分の備蓄が望ましいとしています。

4人家族なら、飲料水だけでも3日分で、

3L × 4人 × 3日=36L

です。

数字にすると、「ペットボトルを何本か置いておけば大丈夫」という量ではないことが分かります。

とはいえ、一度に全部買う必要はありません。

普段使うレトルト食品、缶詰、乾麺、飲料水などを少し多めに買い、使ったら補充する形なら続けやすくなります。

食料だけでなく携帯トイレも確認しておく

備蓄というと水と食料に目が向きますが、断水するとトイレも困ります。

そこで用意しておきたいのが携帯トイレです。

家族の人数を考えると、数回分だけでは足りないかもしれません。

「食べる物はあるのにトイレがない」という状況を避けるためにも、水や食料と一緒に確認しておきたいですね。

停電・断水・通信障害も想定しておく

大きな地震では、家が無事でも普段通りの生活ができるとは限りません。

電気、水道、ガス、通信。どれか一つ止まるだけでも生活はかなり変わります。

モバイルバッテリー、ライト、乾電池、カセットコンロ、ラジオなどの情報収集手段、常備薬、現金など、「電気や通信が普段通りではない状態」を想像すると必要な物が見えてきます。

非常用持ち出し袋と自宅備蓄は分けて考える

1週間分の水や食料を、全部リュックに入れて逃げる必要はありません。

自宅で生活を続けるための備蓄と、避難するとき持っていく物は役割が違います。

持ち出し袋には、水、すぐ食べられる物、ライト、モバイルバッテリー、携帯トイレ、常備薬、必要書類、防寒用品など、本当に持って歩ける量を入れておきます。

一度背負ってみると、「重すぎて持てない」にも気づけます。

家族との連絡方法と集合場所を決めておく

大地震は、家族全員が自宅にいるときに起きるとは限りません。

大人は職場、子どもは学校という平日の昼間かもしれません。

災害時は携帯電話の回線が混雑し、いつものように通話できないこともあります。

災害用伝言ダイヤル「171」などの利用方法、連絡が取れなかった場合の集合場所、子どもの迎えを誰が担当するかなど、事前に話しておくと判断しやすくなります。

実際に強い揺れが来た瞬間、自宅・外出先・車内などでどう行動するかまで確認しておきたい場合は、地震発生時の行動を場面別にまとめた記事もあります。

高齢者・乳幼児・ペットがいる家庭は「その家庭専用」の備えも考える

防災リストは、どの家庭でも同じではありません。

高齢者なら薬や移動手段。乳幼児ならミルク、おむつ、離乳食。ペットならフード、水、ケージ、リード。

メガネや補聴器、医療機器などが欠かせない人もいます。

一般的なチェックリストだけで終わらず、「これがないと、うちの家族は何に困る?」と考えてみると、自分たちに必要な備えが見つかります。

宮城県沖地震でよくある疑問

最後に、ここまで読んでも残りやすい疑問を短く確認しておきます。

宮城県沖地震と東日本大震災は同じ地震?

まったく同じ地震というわけではありません。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震はM9.0で、宮城県沖だけではなく非常に広い領域が関係した巨大地震です。

ただし現在の地震本部は、陸寄りで繰り返す宮城県沖地震について、最新発生時期を2011年3月11日として評価しています。

30年以内90%なら近いうちに必ず起きる?

「近いうちに必ず起きる」という意味ではありません。

30年以内90%は、ある基準日から30年間のうちに発生する確率です。

今年90%で起きるという意味でもありません。

平均38年なら次は2049年ごろになる?

そうは言えません。

平均38年は過去の活動間隔を平均した数字で、次の発生日を示す予定表ではありません。

「2011年+38年=2049年だから、それまでは大丈夫」と考えることはできません。

2011年の東日本大震災で周期はリセットされた?

「2011年から新しい38年周期が始まった」と単純には考えられません。

現在の長期評価では2011年を最新発生時期としていますが、東日本大震災後の応力変化によって、陸寄りでは地震が発生しやすくなったと考えられています。

2026年5月のM6.4は宮城県沖地震だった?

宮城県沖のプレート境界で起きたM6.4の地震ですが、長期評価でいうM7.4前後の「陸寄りで繰り返す宮城県沖地震」そのものと単純に同一視するのは適切ではありません。

最近宮城県沖で地震が増えているのは大地震の前兆?

地震が増えたという事実だけで、次の大地震の前兆とは判断できません。

現在の科学では、個々の地震活動から次の大地震の日時・場所・規模を高い精度で特定することはできません。

仙台市でも津波を警戒した方がいい?

仙台市内でも、場所によっては津波への備えが必要です。

仙台市は宮城県が指定した沿岸15市町に含まれていますが、市内全域が同じ津波リスクという意味ではありません。

自宅や職場が津波浸水想定区域に入っているか、ハザードマップで確認してみましょう。

宮城県沖地震は「いつ来るか」より今できる備えを進めよう

ここまで見ると、「宮城県沖地震は30年以内90%」という言葉も、最初とは少し違って見えてきます。

すべての宮城県沖の地震が90%というわけではありません。

一般に「宮城県沖地震」と呼ばれる陸寄りのM7.4前後の地震は、2026年時点で30年以内80〜90%程度以上と評価されています。

その数字は「今年90%で起きる」という意味でも、「○年○月に来る」と予測できる数字でもありません。

分からないのは「いつ」なのだと思います。

一方で、自宅や職場の危険度、津波の想定区域、避難先、家具、備蓄、家族との連絡方法は今から確認できます。

「いつ来るのだろう」と待つより、来たときに困ることをひとつずつ減らしておく。

30年以内という数字は、そのために暮らしを一度見直すきっかけとして受け取るのがよさそうです。

参考リンク

この記事では、地震調査研究推進本部(地震本部)、気象庁、宮城県などが公表している情報をもとに、宮城県沖地震の発生確率や過去の地震、被害想定、防災情報を確認しています。

地震の発生確率や被害想定は、新しい研究成果や地震活動を受けて更新されることがあります。最新の状況を確認するときは、古い記事の数字だけで判断せず、上記の地震本部・気象庁・宮城県などの公式情報もあわせて確認してください。

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