日本の国内でも「オリンピックを中止すべき」という論調と「現状でも開催できる。開催するべき」という論調がぶつかり合っています。
海外でも今年の日本でのオリンピック開催はすべきではないという記事が出始めていますよね。
そんな中、IOCのバッハ会長は日本の中止論を牽制しているという記事が出ました。
IOCはなぜそこまで開催に自身があるのでしょうか?
IOCが日本の中止論をけん制?
肝心の記事はこちらです。
ただ、内容があまりにもひどいのでSNSでは炎上気味ですよね。
その内容というのは、5月12日にIOCが理事会を開催し、オンライン会見でマーク・アダムス広報部長が話したものです。
「世論には浮き沈みがある。我々は耳を傾けるが、世論に動かされることはない」と、きっぱり。「開催年に選ばれた8年前には支持されていた。開催されれば、世論は五輪を支持すると確信している」
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/6309dc03cbb5dd2693419033f38e8f73f9cad39e
確かに世論は当てにならないのは確かかもしれません。
テレビや新聞で煽ればその方向へと簡単になびいてしまう人が多いのも事実でしょう。
ただ、IOCの広報部長が公に「世論は聞くが気にするな」というのは如何なものでしょうか?
「一般人の意見は聞くに値しない。
あいつら馬鹿なんだから、いざオリンピックが始まれば勝手に盛り上がって、感動するだろう」
と言っているのに等しいことです。
だからSNS上では炎上しましたね。
いわゆる上級国民?支配者層の考えること?ということで燃え上がっています。
少々乱暴な持論で日本での中止論をけん制したようですね。
そもそもオリンピック自体に対して不要論や反対論が出てきているのは、この様な「誰の為のオリンピックなのか?」という根本が由来で、どうも金目が問題であり、IOCや関係各所が儲かるかどうかが中心になっているのではないか?という疑いが沸々と出てきてしまっているからです。
口では「スポーツ選手のため」なんて言っていますが、どう見ても自分たちの懐が優先になっているように見えてしまいます。
本当に選手のためのオリンピックって言えるの?
スポーツ選手は特に心肺が要です。酸素を効率よく多く取り込むことによって筋肉のパフォーマンスが上がります。
新型コロナはその肺を破壊してしまう可能性があります。
中等症程度で復活出来たとしてもプロアスリートレベルではかなりのマイナスになるでしょう。
日常生活レベルでは問題ないですが、世界一を極めるプロの世界では厳しいハンデになることは明確です。
そんな危険を選手に背負わせ、その上「自己責任」にしようとしているわけです。
IOCにしてもJOCにしても、この点だけを見れば、選手は単なるオリンピックという舞台を開くためのコマでしかなく、金儲けの為の「アクター」でしかない様に感じられます。
本当に選手一人一人を見て、想っているなら、この新型コロナがどうなるかわからない状況で開催することを選べるわけがないですよ。
欧米諸国ではワクチン接種が進んで確かに新規感染者数が減っていますが、それが7月半ばまで続くとは限らないわけですし、正直未来はどうなるかわかりません。
ましてやパラリンピックの選手では、もともと何らかの障がいをお持ちなので、免疫の面でも体力の面でも心配なところがあります。
選手によっては新型コロナの中等症でさえ致命的になる方もいらっしゃるでしょう。
それなのに”楽観的に”開催を主張するのは、果たして「選手の為のオリンピック・パラリンピック」と言えるのでしょうか??
IOCがオリンピック開催を支持するわけ(邪推)
まずはIOCの収入源についてです。
「オリンピック憲章」に明記されていますね。
抜粋しますと、
28.IOCの財源
- 1- IOCは、贈与および寄贈をうけることができ、IOCの任務の遂行を可能にするための他のあらゆる財源や資金を求めることができる。
IOCは、テレビ放送権を含む諸権利の活用およびオリンピック競技大会の開催から収入を得るものとする。- 2- IOCはテレビ放送権の活用から得た収入の一部を、国際競技連盟(IF)や国内オリンピック委員会(NOC)、オリンピック・ソリダリティーおよびオリンピック組織委員会(OCOG)等に与えることができる。
出典:https://www.joc.or.jp/olympism/charter/chapter2/26_28.html
「贈与や寄贈、その他あらゆる財源や資金を求めることができる」とあります。
もう一つが「テレビの放送権を含む諸権利の活用」です。
テレビの放送権は有名ですよね。
他にもオリンピック関連グッズや競技中の写真などでしょうか?
オリンピックに関わるものすべての権利をIOCが持ち、それらを利用する場合には対価をもらうということですね。
そしてIOCの収入源の殆どがテレビの放送権関連だと言われています。
ですので、東京オリンピックが中止となれば・・・・放送権関連の収入が無くなります。
ましてや、すでに各国の放送局に放送権を販売してしまっています。
中止の場合は、その放送権料はどうなるのでしょうか?
IOCの場合はどうなるのかはわかりませんが、実は日本の場合は大変なことになりそうです。
上の記事でも書きましたが、日本といいますか、なんとアジア22カ国・地域のオリンピックの放送権はあの【電通】が取得しています。その電通がアジア22カ国・地域の放送局に放映権を販売(?)しています。
詳しくは上の記事を参考にしていただきたいですが、香港政府がもし東京オリンピックが中止だった場合は、電通に対して払い戻しを受けるとの発言がありました。
ということは、東京オリンピックが中止になれば・・・少なくとも電通は払い戻しに応じないといけません。
電通はIOCから放送権を買っていますので、IOCから払い戻しを受けられれば良いですが・・・IOCは返すような契約になっているのでしょうか?
ところが、どんな形であれ、たとえ無観客でも、参加国数が極端に減ったとしても、最悪実施競技がいくつか減ったとしても、東京オリンピックが開催されさえすれば、放送権料は払い戻ししなくても良いのです。
有名無実の大会となったとしても、各国で視聴率が取れなく放送局が赤字になったとしても、それはIOCには関係のないことですからね。
「新型コロナのご時世だから仕方ないですね。」でIOCは高笑いかもしれません。
まとめ(妄想)
IOCが日本の世論で今年の東京オリンピックを中止するという議論をけん制している理由は、ひとえに収入が0になるばかりか、(契約内容によるが)最悪先払いで徴収していたオリンピックの放送権料を払い戻しにしなければならなくなるからというものです。
この放送権料の徴収がどの時点で行われるのかがわかりませんが、少なくとも電通がアジア22カ国・地域分の放送権を取得したのは2015年になります。
オリンピックの放送権に関しては数年分・数大会分をまとめて取得するようになっているようです。
(念の為、電通のHPをウェブ魚拓で保存したサイトを掲載します。)
もし先払いで資金を集めて板としたら、IOCはそのお金をすでに使っちゃっているでしょう。
オリンピック憲章にも、
- 2- IOCはテレビ放送権の活用から得た収入の一部を、国際競技連盟(IF)や国内オリンピック委員会(NOC)、オリンピック・ソリダリティーおよびオリンピック組織委員会(OCOG)等に与えることができる。
出典:https://www.joc.or.jp/olympism/charter/chapter2/26_28.html
とあります。
収入の部分では「テレビの放送権の他にも寄贈や贈与、あらゆる財源や資金を求められる」とありますが、支出の部分で明確にされているのは、上記の「テレビ放送権の活用から得た収入の一部」となっています。
つまりはテレビ放送権料で集めたお金はすでに使っちゃっているのかもしれません。
それを東京オリンピック中止となれば、最悪払い戻さなければならない・・・・え?ということはマイナスだよね?ということですね。
使った先は
- 国際競技連盟(IF)
- 国内オリンピック委員会(NOC)
- オリンピック・ソリダリティー
- オリンピック組織委員会(OCOG)等
ということになり、いわゆる運営費にあててね?というお金の使い方です。
ですので東京オリンピックが中止になったからと言ってこれらの団体から「あげたお金返してね」とは言えないですよね。
あれ?IOC一人勝ちかも?
ですが、不穏な情報もあります。
なんとこれらの団体にIOCが出した資金は回収できる可能性が高いということです。
朝日新聞の記事ですが、
また、東京との関係では、IOCは大会組織委員会に850億円の拠出金を支払っている。しかし、大会が中止となって放映権者が放映権料の返還を求めた場合、組織委は拠出金をIOCに払い戻さなければならない契約になっている。大会が中止になった場合、IOCだけでなく、組織委や東京都も大きな減収に直面する可能性がある。
出典:https://www.asahi.com/articles/ASP5B4VPFP5BUTQP00Q.html
そうしますとやっぱりIOCの一人勝ちですね。
放送権料はおいくら?
その気になる放送権料ですが、電通がどれほど支払ったのかはちょっとわからないですが、オリンピックに置いては大口となるアメリカNBC放送の場合の数字が出ていました。
NBCがIOCから取得したアメリカ国内での放送権料は、2032年までの夏冬6大会分をまとめて76億5千万ドルだそうです!
日本円にして約7780億円(=当時)ということです。
(出典:https://www.asahi.com/articles/ASP5B4VPFP5BUTQP00Q.html)
ん?当時ということは・・・やはり取得時に支払いをしているということでしょうか?
6大会分まとめてということですので、簡単に均等割と考えますと1大会で約1300億円弱ですね。
これがアメリカだけの金額ですので、アジア、ヨーロッパ、南米、アフリカ・・・・となれば相当な額ですね。
ここで効いてくるのが、先程の契約内容ですね。
放映権者が放映権料の返還を求めた場合、組織委は拠出金をIOCに払い戻さなければならない契約になっている。
出典:https://www.asahi.com/articles/ASP5B4VPFP5BUTQP00Q.html
これが本当だとしたら・・・脅しですよね。
組織委なんかは運営費用などでお金を使ってしまっているでしょうから、中止だから金返せと言われても返しようがないでしょう。(これが巷で言われている違約金の正体でしょうか?)
そうすると・・・放映権料の返還を求めないように働きかける可能性がありますよね?
NBCは昨年オリンピックが延期になった際に保険に加入していたので保険金が入り痛手はなかったと言われています。
邪推すると、この保険はオリンピックが中止になったとしても、放映権料の返還請求が出来ないので保険金で賄う為のものだったのでしょうか?
ますますIOCの一人勝ちで暗黙の了解的な感じを抱きますね。
ただしこれをやってしまいますと他の国からは不満が出るでしょうからやりたくないですよね?
ますますIOCは東京オリンピックを強行したい?
その上今回は「新型コロナウイルスのパンデミック」という世界規模の災害(人災?)ですので、この状況下でオリンピック開催を強行するのはオカシイと他国からも指摘される可能性は否定できません。
そうなると、上記の脅し文句があったとしても各国の放送局並びに各国政府が放送権料の返還を求める可能性は高いですよね?
- パンデミックだから世界中の人を一箇所に集めるのはウイルスが混ざって変な進化をするかもしれないから危険だ!
- オリンピックで新たなウイルスを貰ってしまい自国に持ち込んでしまう
だから通常の中止(開催国の都合・戦争勃発など)ではないのだから、無条件で返還に応じるべきという議論になりかねません。
(だからIOCは保険をかけて、地域ごとに分けてアジアなら「電通」という様にクッションを挟んでいるのかもしれません。あくまでアジア22カ国・地域が返還を求めてきたら払い戻さないといけないのは「電通」です。
そして「電通」が「IOC」に対して返還請求ができるかと言うと・・・・どうなんでしょうね?)
だからIOCとしては「どんな形であれオリンピックは開催する!」と言う訳です。
開催さえすれば、各国の放送局は放送するでしょう。
すべての競技が開催されなかったとしても、参加できない国が増えたとしても、オリンピックは開催されましたので放送します。
放送権料は返還請求が”円満”にできなくなりますよね。コロナ禍だから仕方がないです(笑)
そういうことじゃないかなぁ?という私の妄想でした。
駄文失礼しましたm(_ _)m