鹿せんべいでも有名な奈良公園のシカたちにマダニがついているという投稿が出て話題になっています。
動物にダニがついていることはよくあることで、犬や猫を飼っている人はよく知っていることだと思います。
ダニを駆除する薬を与えたり、動物病院で見てもらったりすることがありますよね?
特に野良猫を拾ったことがある人は、拾ってすぐに動物病院に連れて行くろダニの駆除をするのが当たり前です。
ダニは人を刺して虫刺されのような症状を出すこともありますのでダニの駆除はしておいた方が良いですよね?
なら自然の中で生きている奈良公園のシカならダニが居ても不思議ではありません。
この「マダニ」が居ることの何が問題なのでしょうか?
「マダニ」は人にとっても危険!?
毎年マダニにさされて大変なことになったというニュースが出ています。
2023年5月時点で、日本国内でマダニ媒介感染症が流行しているようです。これまで65人の感染が確認され、5月以降だけで31人にのぼると報じられています 。また、茨城県内で心筋炎で死亡した70代の女性について、マダニが媒介すると考えられている「オズウイルス」というウイルスによる感染症と診断されたことがあります 。
そうなんです!最悪の場合は命に関わるのがマダ二に刺されて起こる感染症なのです。
厚生労働省は去年、茨城県内で心筋炎で死亡した70代の女性について、マダニが媒介すると考えられている「オズウイルス」というウイルスによる感染症と診断されたことを発表しました。
このウイルスに、人が感染して発症したり、死亡したりしたケースが確認されたのは初めてで、厚生労働省はウイルスの特徴や症状などについて、引き続き、調査や研究を行うことにしています。厚生労働省によりますと、去年夏ごろ、茨城県の病院で発熱や倦怠感を訴えて受診し心筋炎で亡くなった70代の女性の患者について、入院時に右足の付け根にマダニがかみついていたことが確認されていたことなどから、検査を行ったところオズウイルスによる感染症と診断されたということです。
ただこのケースは国内で初のケースであり、世界的に見ても例が無いということです。
この女性は最終的に「心筋炎」で亡くなったということですが、入院時にマダニが噛み付いていたということが確認されており、調べたら「オズウイルス」が検出されたということです。
もしかしたら、これまでも最終的に「心筋炎」だった患者が、実はマダニに噛まれていたのかもしれませんし、たまたま今回のケースがマダ二に噛まれていたことと病状の悪化が重なっただけなのかもしれません。
今後の研究で分かってくることと思いますが、このオズウイルスに感染した形跡のある狩猟者などがいらっしゃいますが、感染に気づかないか、症状が軽かったようです。
現在のところはオズウイルスの有効な治療法は分かっておりませんが、重症になる確率も低いので過度に警戒する必要はないかと考えられます。
マダニ媒介感染症で死亡者も?
オズウイルスに関しては研究がこれからですが、マダ二が媒介する病気の中でも死亡車が出ているものがあります。
それがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)です。
この病気は去年1年間で116人の感染が報告されており、12人が死亡しています。
マダニに噛まれてから症状が出て気がつくのですが、この症状が発熱や席、嘔吐や下痢という症状でひどい風邪と似た症状なので、マダニから感染したことに気が付かないことも多いです。
ですので知らずに感染して、そのまま完治している人もいそうですね。
ただし、重症になると出血が止まらなくなるなどして、最悪命に関わるものになります。
死亡率も10%~30%にのぼると言われていますので侮れない病気です。
マダニは藪や草原など自然豊かな場所にはよくいる虫ですのでアウトドアアクティビティで自然豊かな場所を楽しむ際には長袖長ズボンをはくことや虫除けスプレーの併用も大切です。
また自然の中に入ったあとはすぐに入浴ししっかりと身体を洗うことも大切です。
また飼い犬や飼い猫から感染した事例もありますので、ダニの駆除をしっかりとしておくことも大切です。
奈良公園のシカとの触れ合い方に気をつけよう!
奈良公園のシカは自然に生きている野生のシカです。
ですので身体にマダニが居るのも普通のことです。
彼らは観光客から鹿せんべいをもらったりと人に慣れているため近寄ってきて身体をさわらせてくれます。
可愛いですよね!!
ただ、やっぱり野生のシカですので、自然のルールを守って触れ合ってください。
奈良公園クイックガイド » シカとの接し方 (pref.nara.jp)
そして長時間シカの身体に触れ続けないようにすること、奈良公園から帰ったら入浴してしっかりと身体を洗うことが大切です。
そしてもしその後に虫刺され痕が身体にあったら記録しておいてください。
また発熱などの症状が出たら医療機関を受診し、医師にシカと触れ合ったこと、その後に虫刺され痕があったことを伝えて検査を受けるようにしてください。
過度に心配する必要はありませんが、発熱などの異常がおきた際には気をつけてくださいね。
野生のシカですから警戒していますし、希少が荒くなっていることもありますのでプロに任せましょう。
Q10.鹿がけがをしているみたいだけど、どこに連絡をすればいいですか。
A.一般財団法人 奈良の鹿愛護会へご連絡ください。
●鹿に関するお問合せ(全般)・・・奈良の鹿愛護会へ TEL0742-22-2388
●鹿によるけがなどの相談 ・・・奈良公園のシカ相談室へTEL0742-26-7755引用:Q&A奈良公園クイックガイド (pref.nara.jp)
奈良公園のシカのマダニは駆除できないの?
犬や猫のダニの駆除をするという話は聞いたことがあると思います。
では奈良公園のシカのダニも駆除したら良いのでは?と考えますよね?
もちろん奈良公園のシカのお世話をしている「奈良の鹿愛護会」でも対策をしようとしたことがあるようです。
「奈良の鹿愛護会」のメンバーで、獣医師の丸子理恵さんに話を聞きました。丸子さんによると、そもそも奈良のシカは自然の中を動き回る「野生動物」であることから、マダニが身体につくリスクがあるといいます。
また、市場には犬猫用や家畜の牛用のダニ予防薬が流通している一方で、全国的に頭数が限られるシカ向けの予防薬は流通しておらず。愛護会では過去に牛用の薬をシカに投与したことがあったものの、目立った効果はみられなかったといいます。
引用:奈良公園のシカは「想像の100倍はマダニくっ付けてる」投稿が話題 一体どう接すれば……? 愛護団体に話を聞いた(ねとらぼ) – Yahoo!ニュース
そもそもシカ用のダニ予防薬はないようで、牛用の薬で代用したのですが効果がなかったということです。
いろいろと難しいのですね。
犬猫用の薬があるんだからそれで良いじゃんって思っていましたが聞かないとは・・・
まとめ
マダニに刺されると、感染症にかかる可能性があります。
刺された場合の症状としては、頭痛、全身倦怠感、高熱などがあります。また、発熱、発疹、および刺し口が主な症状なので、これらの症状が見られた場合はすぐに病院へ行くことをお勧めします 。
そのマダニが奈良公園のシカにみられるのは、野生で生活しているシカですから当然のことです。
過度に恐れる必要はありませんが、シカと触れ合った後に虫刺され痕があった場合は気をつけてください。
その後に発熱などの症状が出た場合は、医療機関を受診し、シカと触れ合ったこと、その後に虫刺され痕があったことを医師に伝えて適切な処置をしてもらってください。
また予防としてはシカと触れ合うときにはあまり肌を露出しない服を着るのがよいですね。
また奈良公園から帰宅したら入浴して服を着替えるのが予防になると思います。
[参考]
【虫刺され】『ダニ』に刺されたらどうすれば?症状、対策、予防法を解説|田辺三菱製薬|ヒフノコトサイト (mt-pharma.co.jp)